私が囲碁のルールを教わったのは、中学生になった頃です。対局もしましたが、正直言って当時は大して面白くもなかったです。もちろん囲碁部に入ろうとも思いません。

囲碁が”面白い”と思えるようになったのは大学生になってからで、友人・知人に好きな人がちらほら居たので、付き合いで打ち始めたのがきっかけです。

それから私も囲碁ファンの端くれとなりましたが、腕前のほうは……芳しくないです。高段者の方には置き碁(ハンデあり)で手も足も出ないレベルです。

置き碁を100メートル走に例えると、私が50メートルからスタートしてもゴール前でぶち抜かれるイメージです。

それでも好きな囲碁の魅力について話します。

囲碁の魅力をいまいちわからない人に読んでほしい

囲碁の歴史とかルールを、ただ解説したってつまらないと思います。

囲碁にちょびっとは興味があったり、ルールは知ってるけど馴染めなかった……みたいな方には続きを読んでみて欲しいなぁと所望します。

囲碁は古くさいから興味ないよ、という場合は、あきらめます。

囲碁は本邦でも、遣唐使の時代から遊ばれてきた古くさいボードゲームで、ルールも当時から大して変わってません。

TVで中継しているようなプロが行ってる「競技囲碁」は、黒番・白番(先攻と後攻)が対等に勝負できるようにルールが進化していますが、そうでない一般の対局では、先攻で打てる黒のほうがちょっと有利です。

江戸時代の古碁で高名な棋士・本因坊秀策は、黒番でやたら強い勝ちパターンを使った事でも有名です。

囲碁は勝ちパターンを会得したらそれまでのゲーム?

本因坊秀策のくだりで「勝ちパターン」などという言葉を使ったのは、いささか乱暴でした。すぐ反省します。

思えば私が囲碁になかなかハマれなかったのも、囲碁なんて所詮は勝ちパターンを会得したらそれまでのゲームじゃないかと、早とちりしたからです。

囲碁は陣取りゲームで、終局したら白黒お互いの陣地を数えて、多かった方の勝ちです。私はそう教わりました。だったら陣地を囲うのに効率が良い石の配置を覚えて、覚えたらそれを実践するだけの作業ゲームになるだろう。そう考えていました。

実際に、それはある意味正しいとも言えます。なぜならば2017年現在、囲碁のチャンピオンは実質的にコンピューターになったからです。

もう少し詳しく言うと、そいつはグーグル傘下の企業が推進したプロジェクトAI「AlphaGo」と言います。

競技囲碁で世界最強のトッププロと目されていた柯潔(カ・ケツ)選手をノーハンデで打ち負かしてしまいました。 これはTVニュースでも頻繁に報道されたので、囲碁にあまり興味がなくてもご存知な方は多いはずです。

ああやっぱり……囲碁なんて必勝パターンを計算すればそれでゲームクリアなんだ……コンピューターに勝てない分野なんてもう頑張る価値ないじゃん……そんな気持ちを抱いた方が居ても、決して不思議じゃないと思います。

ヒカルの碁で人気を得るも、地味な印象は拭えず

なんとなく「囲碁おわったな」みたいな文脈ですが、残念なことに更にネガティブな話が続きます。

現在、囲碁をエンジョイしている人口は、日本国内で300万~500万人と言われます。もっともこの数字、年に1回でも対局した人は全部カウントしているようですが、信憑性はいまひとつです。

競技人口はもっと少ないですし、競技囲碁のレベルも中国や韓国など、アジアの強豪に遅れを取っているのが実情です(世界競技人口の大半は中国籍です)。

過去に「ヒカルの碁」を筆頭とした囲碁コミック・アニメが流行して、囲碁ブームらしきものも発生したんですが長期的な囲碁ファンの獲得は達成できず、やはり地味な印象が拭えません。私としてはヒカルの碁も大好きですよ!オススメですよ。

ヒカルの碁は名作漫画

ちょっとヒカルの碁の話へ脱線します。少年ジャンプで連載されていたので、連載当時はかなりの注目を集めました。

囲碁なんていうインドア志向なゲームでも、ジャンプらしく努力友情勝利のメソッドで読ませるとすんごくエキサイティングなバトルになる事が証明されました。

ただし原作・ほったゆみさんの匙加減でしょうが、敗北や挫折で泣かせてくれる名場面も多かった気がします。作画・小畑健さんの描く美麗なキャラクターは、少年誌からアニメ化されたというのに大勢の女性ファンのハートも射止めました。

ちなみにヒカルの碁で対局に使われた棋譜は、多くが実在プロの対局をベースにしています。キャラクターガイドや有志サイトをチェックすればその詳細がつぶさに味わえます。

コミック本編やアニメは、ぶっちゃけた話、囲碁のルールなんて興味なくても関係なく楽しめます。むしろ半端に知っていると囲碁描写が少なすぎてもどかしい程です。

終局図は自分1人の感性では思いもつかない共同作品=「1枚の絵」

話を戻して囲碁です。最近はネット碁も普及してきて、フリー対局とかデータ管理も便利になりました。しかし私はネット碁は殆どやりません。

相手と対面し、手に碁石を持ってバシィっと打たないと碁をやってる気がしません。そんな古い感性を持っています。

友人知人と差し向かいで、時にぼやきつつ、時に盤面に集中し、時間を忘れて過ごすのが、この上ない贅沢だと感じます。囲碁にはこうしたスローライフ的な魅力があります。将棋にもきっとあると思います。

私が特に好きなのは、終局図です。終局図は対局が終った時の配置で、2人がかりで作った作品です。対局中は、なんとかうまいこと相手をやっつけようと頑張っています。

決して協力プレイじゃないのに、終局図は自分1人の感性では思いもつかない共同作品=「1枚の絵」になります。

もし私が前衛芸術家だったら、歴代の高名棋士の棋譜を日本棋院からでもお借りして、アートギャラリーに大盤で並べたいです。

碁の達人同士で作りあげた終局図にはぎりぎりの緊張感があり、時には相克と調和を共存させ、時には壮絶なる終焉を表現します。正にアートです。

まとめ

囲碁はPC・スマホでも手軽に楽しめます。ネット碁や初心者向けの無料ゲームもたくさんあるし、ゼロから学習できる解説サイトも色々あります。

碁盤や碁石は、セットで購入すると安くても5千円~2万円くらいかかりますが、ネット環境だけでも充分遊べちゃうので、お金のかからない趣味だと言えます。

さて、ここでは囲碁の本質について全然語れませんでした。ここまで私が書き放ったテキストの大部分は、囲碁の真の魅力=囲碁の宇宙にほんの少しでも気付いた方ならば、鼻息で吹き飛ばせる程度のデタラメです。

囲碁はこれからも気楽に遊べるホビーであり、同時にAIもパートナーとして探求が継続されていくフロンティアです。私はヘボですけどね。