ウォーシミュレーション物のゲームも、HEXマップタイプからリアルタイムストラテジーまで数え切れぬ程のタイトルが発売されています。

その中でも一風変わった存在なのがRING of RED(リングオブレッド)です。

ロボットバトル物のゲームも数多く発売されてきましたが、その中でも特異な世界観を持っているのがリングオブレッドです。

発売からかなりの歳月が経過していますが、今でも根強いファンが存在するタイトルです。私もちょこちょこプレイしています。

「RING of RED(リングオブレッド)」とは?

リングオブレッドは2000年にコナミが発売したタイトルで、プレイステーション2対応です。

システム的にはSRPGになります。登場するロボット=AFWは”歩行戦車”と呼ばれる代物で、その外観は第二次世界大戦時の日本・ドイツ・アメリカ等が開発した戦車に似ていますが、脚部をもっていて自立歩行しちゃいます。

AFW1両と、それを援護する随伴兵3部隊がひとつのユニットとして作戦に参加して、敵ユニットを攻撃したり、待ち伏せしたり修理したりできます。

戦闘になると半分リアルタイムで、砲弾を装填したら射撃体勢に入り、照準を合わせる時間を任意に調整して「ここぞ」というタイミングで発射します。

座標あわせではなく「じっくり待てば命中率アップ」な感じなので、アクション要素が苦手な人でも全く問題ないです。
全敵ユニットを破壊するか、敵本拠地を制圧すれば1マップクリアという流れです。

「リアルっぽさ」と「コミカルさ」の融合が面白い

リングオブレッドの面白さは、私なりに表現すれば「リアルっぽさ」と「コミカルさ」の融合です。

物語の舞台は”戦後”の日本なんですが、ポツダム宣言受諾を拒否して本土決戦をした挙句、荒廃しきった日本列島は南北で分断統治されているという恐ろしいIF世界です。

”歩く戦車”AFWはドイツなど各国で試験運用され、旧連合軍陣営である南日本と、共産圏に編入された北日本との局地戦に投入されます。

大戦中に戦略爆撃の脅威が注目された結果、南北両陣営の協定で緊張地域=日本の上空では航空機の飛行が禁止され、山林と悪路だらけの国土でAFWと随伴兵たちが地上戦を繰り広げます。

この、荒唐無稽なようでいて歴史の歯車がちょっとズレていたら本当にあったかも……みたいなIF戦記物ぽい設定が、ゲーム内で存分に活かされています。

AFWのデザインも、鋼板を溶接しまくってできている感じの無骨さがたまりません。
機体の種類によっては砲撃だけでなく殴り合いもしちゃいます。

挙動は重厚だけど、ゲーム的な面白さもたっぷり盛り込んでいます。

おすすめだけど入手が困難

個人的にオススメ度の高い作品なんですが、2017年現在、リメイクや続編は出ていません。
PS2と互換性があったPS3用にダウンロード販売されていた”PS2アーカイブス”の、海外ストアでリリ-スされていたくらいです。

プレイステーション2は実機の確保が困難になってきているので、もとからマイナー気味だった本作はますます影が薄い存在になっています。

また2000年リリースのタイトルだけあってグラフィック的な古さも否めません。
AFWや随伴兵は3Dモデルで表現されていますが、今見るとやや荒い印象です。

あと、発売当時から指摘されていた事ですが戦闘シーンの進行がもっさり気味で、ひとつのマップをクリアするのに結構な時間がかかるのも欠点であります。

個人的にはAFW・随歩兵たちが健気に戦ってるモーションが大好きなので、それを愛でるのは全然苦にならないんですけどね……

AFWを援護している随伴兵こそが、リングオブレッドにおける影の主役

ここまで”随伴兵”という言葉を何度も使いました。これは決して偶然ではなく、AFWを援護している随伴兵こそが、リングオブレッドにおける影の主役です。

最近はWW2を題材にして、リアル路線の戦車戦を再現したRTSもありますが、随伴兵の活躍まで織り込んだ世界を持っている作品には、なかなか出会えません。

戦略シミュレーションでも、歩兵はだいたい都市占領が目的で、使い捨てのユニットだったりしますよね。

リングオブレッドの随伴兵は「対甲」を目的とした猟兵・工兵・補給兵と、「対兵」を目的にした歩兵・狙撃兵・衛生兵に大別されています。

携帯式火器で攻撃するだけでなく、地雷や鉄条網で敵AFWの進攻を阻んだり、AFWの砲弾装填や修理・移動などの能率を高めたり、後列に下がった敵随伴兵をスナイプしたりと、兵科に応じた任務を遂行します。

夜戦になれば照明弾を発射するのも随伴兵の役目です。
随伴兵が全滅してAFW単体になると、ユニットとしての戦力はガタ落ちです。

AFWも用途に応じて分化していて、二足移動しつつ砲戦と格闘戦を両立した「甲脚砲」機動力を重視した「軽甲脚」大口径砲を搭載した「多脚砲」格闘戦向けの「対甲脚」があります。

火力が貧弱な軽甲脚を助けるために猟兵・工兵を編成したり、遠距離戦が得意な多脚砲に狙撃兵2部隊を編成して圧倒的な射界を確保したりと、プレイヤー次第で様々なコーディネイトが可能です。

そして再現される、歩行戦車と随伴兵の直協戦闘が本当に素晴しい!ウォーゲームに「人間味」があると言えば不謹慎かもしれませんが、リングオブレッドのバトルシーンには他では味わえない人間味があって、それが独特な面白さにつながっていると思うんです。

物語の主要人物であるAFWパイロットも個性的で、主人公の日独ハーフ・雅美や重度のキレキャラヒロイン・リョウコ、強奪機体を駆る敵のエースパイロット・海宝など、愉快なキャラクターたちがドラマを繰り広げます。

シナリオ進行にともない「お前にとって”祖国”って何なの?」という、ちょっと重いテーマも展開していきます。

まとめ

リングオブレッドの魅力を駆け足でご紹介しました。

ロボット物としてはデザインがリアル寄りで、バトルシーンは単なるロボットの撃ち合い・殴り合いではなく、随伴兵たちが機体外部に搭乗したり、機体周辺に展開して、兵科の個性を発揮しつつ戦います。

プレイヤーは随伴兵たちへの指示や、射撃の照準合わせ等を矢継ぎ早に行います。操作はシンプルながらも創意工夫が要求されていて、秀逸なゲームバランスです。

ロボット物や戦車戦のゲームも色々ありますが、リングオブレッドも是非一度は体験して頂きたいタイトルです。