私は現在、40代の男性会社員です。幼少の頃から社会人になってからも野球をし続け、今、小学4年生の息子が所属する野球チームでも父兄としてサポートしています。

野球はグラウンドへの礼に始まり、礼に終わりますが、練習後のグラウンド整備は特に大切で、きれいなグラウンド作りこそが精神を整え、野球の上達にもつながっているように思います。

そんな中、グラウンド整備のプロ中のプロである阪神園芸にスポットを当て、今回はその魅力について書きたいと思います。

阪神園芸株式会社とは

阪神園芸株式会社は、兵庫県西宮市に本社をかまえる阪神電鉄グループの造園会社です。1968年に設立されました。事業内容は主に、環境緑化工事の施工や維持管理、公園植栽などの管理などの他、観葉植物のリースなどを行なっています。

1979年からは阪神甲子園球場のグラウンド整備も行なうようになり、広く認知度も高まりました。そして、2012年に旧阪神電鉄の子会社であったクリエイティブ阪急と合併し、さらに業務の拡大を行なっています。

2017年のセ・リーグクライマックスシリーズ「阪神タイガースVS横浜DeNAベイスターズ戦」では、大雨でまるでプール状態になってしまった甲子園を、見事に試合再開させたことでも大きくマスコミに取り上げられ話題になりました。

阪神甲子園球場の全国トップクラスの水はけの良さを実現するグラウンド管理

阪神園芸の一番の魅力は、やはり阪神甲子園球場のグラウンド管理になります。特に甲子園は他のグラウンドに比べ、水はけが良いことが特徴なのですが、土の作り方とグラウンドの固さ調節に秘密があります。

まず、土の作り方ですが、阪神園芸独自のブレンドで甲子園の土はできています。甲子園の土というと黒いイメージがありますが、実は黒土と白土の2種類をブレンドさせています。現在、黒土は鹿児島県産のものが使用されていますが、きめ細かさと適度な粘り、そして保水力が特徴です。

一方、白土は中国の福建省から運び込まれており、水はけの良さから選ばれていると言われています。こうした土を阪神園芸のスタッフが、これまでの技術と経験で絶妙にブレンドし、全国トップクラスの水はけの良いグラウンドを実現しているのです。

グラウンドの固さ調節に関してもやはり職人技が光っており、柔らかいだけではなく固さにもこだわっており、レイキといわれる土を掘り起こすグラウンド整備器具と、固さを出すローラーのバランスで、大変守りやすいグラウンドを作り上げているのです。

国際基準の野球グラウンドとは合わないのがもったいない

野球は近年、国際化がどんどん進んできました。アメリカのベースボールはホームランといった力技をいかに相手チームにお見舞いするかを重要視しており、日本の野球は全員野球、つまり小さくてもヒットでつなぐスモールベースボールを重要視しています。

つまり、同じスポーツでも考え方がまるで異なるわけですが、こうした価値観の違いはそれぞれの球場についても見ることができます。アメリカのボールパークは総天然芝で赤土、ピッチャーマウンドをはじめ、土部分は日本の球場に比べると固いと言われています。

一方、日本の球場は甲子園に見られるように内野が黒土であるところが多いのが特徴です。

そのため、近年の日米野球では甲子園球場を使用しても、ピッチャーマウンドやバッターボックス周辺の土がアメリカのボールパーク仕様に変更されていて、グラウンドキーパーもアメリカからのスタッフが担当していました。

阪神園芸の技術力は大変高いものの、国際基準の野球グラウンドに合わなくなってきているのも事実であり、これはデメリットとも言えるでしょう。

情熱を持ったスタッフさんの職人姿が素晴らしい

阪神園芸のグラウンド整備に対する技術力は日本のグラウンド整備を行なう会社の中ではトップクラスであり、非常に高いというのが魅力です。そのため、トンボかけまで3年、水まきにはそれ以上、一人前のグラウンドキーパーになるまで10年はかかるといった職人の世界です。

しかし、このようなハイレベルな技術を保持するスタッフの方々は全員が阪神園芸の正社員というわけではなく、契約社員がほとんどであるということも魅力です。

つまり、社会的に高い年収や手厚い福利厚生を受けているのではなく、純粋に甲子園という球児にとっての晴れ舞台、野球人にとっての聖地をプレーに支障をきたすことなくきれいに整備することに情熱を持った人たちが集まっているということが本当に素晴らしく、魅力なのです。

野球のグラウンドには次の打者がグラウンド上で待機している「ネクストバッターズサークル」という円が白線で描かれています。グラウンドのライン引きは、経験された方ならおわかりでしょうが、なかなかまっすぐには引けず、集中力が必要になります。

曲線というと、さらにそのライン引きは難しくなりますが、阪神園芸のスタッフのすごさは、このサークルのライン引きをフリーハンドでしてしまうところです。

一塁、三塁にあるそれぞれのベンチから阪神園芸のスタッフが入ってきて、まずライト方向、レフト方向に決められた歩数分歩きます。そして、その歩数までたどり着いたあと、直角に曲がり、さらに決められた歩数を歩きます。

このときにストップした場所がネクストバッターズサークルの円の中心なのですが、これを軸にあとは迷うことなく「一筆書き」のように一気に線を引く姿は圧巻です。それほどまでに熟練した技、まさに職人姿こそ魅力なのです。

まとめ

阪神園芸の魅力がみなさんにもお分かりいただけたでしょうか?

阪神園芸スタッフの働きぶり、そしてグラウンド整備に対する技術の高さは、プロ野球をはじめ、春夏の高校野球でもテレビ放送で見ることができます。

また、阪神園芸の魅力を感じている方々が近年、少しずつではありますが増えてきているため、今は動画サイトでも見ることができます。「どんな整備をするんだろう?」と少しでも気になる方は、ぜひこうした映像でチェックしてみてください。