私はこれまでメディアに関係した仕事を行ってきたのですが訳あって魚屋さんになりました。

これまでの人と接して仕事をこなす職種とはまったく違い、魚という種類の生き物を毎日相手にするのでとても新鮮な日々を過ごしています。

そして魚を捌くという仕事がこれほど楽しいものかと感じながら働いているのでそのことを書いていきたいと思います。

とくにどんな魚を捌いているか、どのように捌くのか、その魅力を伝えればと思います。

特に楽しいのは二枚おろしや三枚おろし

人でもいろんな性格や考えを持った人がいてその中で仕事をしていきますので人間関係は面白いものです。

同じように魚といってもありとあらゆる種類があるわけですからそれぞれの特徴を理解してどのように捌くのかを学ぶのは楽しいものです。

とくに楽しいのは魚を二枚おろしや三枚おろしにする作業です。

基本的に作業はどの魚においても同じ工程を踏むのですが、ある種類においては下ろす順番が若干違っていたり人によって簡略化してしまう工程があったり、また綺麗な仕事の仕方が人によっても違うことなど包丁を扱う人によって下ろされた魚の形は一緒でも過程が異なります。

包丁も魚を捌くときの重要なアイテムになりますが長さも様々あり出刃包丁や柳包丁など用途によって使い分けるものがあります。

こういった道具も扱い方が違ってきます。

一番最初に覚えたのはサバやイナダの三枚おろし

魚の二枚下ろしや三枚おろしの楽しさについて伝えられればと思います。

私が一番最初に覚えたのはサバやイナダの三枚おろしなのですが、頭を落とした後に腹を裂いて内臓を取り出します。

その際その日その日によって違うのですがおなかの中に漁獲される寸前に食べていたものが入っていたりします。

私が見たもので驚いたのはサバが自分の体と同じほどのイカを飲み込んでいたことでした。

こんなものを食べているのかと、魚を実際に捌いてみないとわからない魚の生態を知ることができるのも新しい発見で面白いものです。

その後中骨の血合いをブラシで擦って落とします。サバは身が柔らかいので強くこすりすぎないようにします。イナダは血合いがそれほどでないので洗わずに次の工程に入ります。

その後、通常の三枚おろしだとお腹からと背中からと包丁を入れていくのですがそうはせず、頭のところから包丁を中骨に沿ってしっぽまで一気に下ろします。

その後中骨を取るようにして反対側も下ろしていきます。これを大名おろしというようです。

さらにイワシとアジも松葉おろしで捌くのですが、内臓の部分だけを綺麗に落とさなければならないので技術が求められます。

とくに中骨に沿って包丁を入れるときのカリカリという骨に沿っている包丁の音が気持ちいいのです。身を無駄なくそぎ落としている感じです。

最大のデメリットは匂い

魚を捌くときの最大のデメリットはなんといっても臭いでしょう。生ものですから当然生臭さが鼻を突きます。一日何十匹も捌いていると臭いが体に染みつきます。

とくに冬の時期に漁獲される鱈は臭いのきつい魚の部類です。鍋用に塩タラを買ったことがある人は臭いを思い出せるでしょうか。でも生鱈はそれ以上の生臭さがあります。

とくにシーズンに入ると鱈の頭だけがケースに入って届くのでひたすら頭を勝ち割って鍋用にしていきます。ものすごい臭いになります。

また大きいブリのような魚になるとヒレが針のようになり捌いているときに指に刺さることがあります。私はブリの背ビレが人差し指に刺さり抜けなくなってしまいました。結局取り出せず今にいたります。

手もタコだらけですのでボコボコの職人の手になってしまいました。

季節を肌で感じれる

魚を捌いていると感じるのは季節を肌で感じることができるのも魅力です。春には春カツオ、夏にはアジやクロダイ、秋には秋刀魚やマグロ、冬には鱈や牡蠣など季節の旬のものを見ることができ、実際食べるととても美味しく感じます。

こういったものをまじかで見ることができお客様に買っていただけるのはメディアで働いていたころとは違う別の喜びを感じます。

秋は秋刀魚とよく言いますが実際秋の生秋刀魚は脂がのって生魚なのに香ばしい食欲をそそる匂いがします。

店頭に出すときには頭と内臓を取って出したり開きにして出したりするのですが、秋刀魚の内臓はシンプルに出来ているのか消化が早いようで臭さは全くありません。おいしい臭いがするんです。

私は生秋刀魚に関してはぜひ捌いたりせずそのまま焼いて食べることをお勧めします。内臓の苦みまでおいしいですよ。

魚を捌く点でほかにも感じている魅力は三枚おろしをした時の中骨にあります。

それは骨にいかに身を付けづに下ろすかという技術面での包丁の扱い方です。

素人が三枚おろしをすると骨に身も一緒に付いてしまって食べるところがなくなってしまうということがあります。

その点、毎日何十匹と魚を三枚おろしにしていると技術が向上し骨に身が付かないようになるんです。それができるようになるととても気持ちがいいです。

でもそこにこだわりすぎるとアラといわれる魚を捌いた後の残りかすがほとんど残らなくなってしまうのでほどほどの技術で魚を捌いていますがこだわるといくらでもこだわれる世界だと感じマニアックな喜びをかみしめて仕事をしています。

まとめ

魚を捌く方法はいろいろあって大名おろしや松葉おろしなど包丁の扱い方と切り方によって魚をいろんな形に仕上げることができます。

骨に身を付けずに下ろせるようになるととても気持ちいです。ただ臭いは中々なもので、とくに鱈は臭いです。

冬のシーズンは鱈の頭だけ届いてひたすら鍋用に勝ち割っていきますので体に臭いが染みついてしまいます。

それでも包丁一つであらゆる魚を捌ける技術はとても魅力的でこれからも魚を捌き続けていきたいです。